お騒がせの「老後2,000万円不足 報告書」がお粗末だった

こんなものを公表しやがって!、と麻生財務大臣や自民党が怒っているので、この報告書は既に削除されているだろうと思ったが、内容はどんなだろうと興味が湧いたので、金融庁のホームページをダメ元で覗いてみたらまだ掲載されていた。

 

ホー、意外と気骨が有るな~、と思ったが、実は仕事が遅くてまだ削除してないだけかも、とも思ったり・・・。

 

先ずは報告書の本文から読もうとしたのだが、51ページも有る。

こんなに長くては読む気がしない。(--;)

 

国会で麻生大臣が本文は読んでいないと答弁して野党に怒られていたが、これでは仕方無いなと少し同情。

 

エーイこんな報告書!と削除しようとしたが、折角ダウンロードしたのに・・と思い直して読み始めたが・・、

本文に行く前に、報告書の作りが良くないところで先ず引っ掛かってしまった。

 

報告書1枚目の表紙には「金融審議会 市場ワーキング・グループ報告書『高齢社会における資産形成・管理』」と書かれている。

2枚目は「目次」で、その次に『「市場ワーキング・グループ」 メンバー名簿」』と続き、

その次に「はじめに」が来るのだが、そこがいけない。

 

その「はじめに」には、この報告書を作成することになった経緯と今後への期待が書かれているが、結論が書かれていないのだ。

 

長い報告書を読むのは大変で、時間もかかるので、読む人のために大抵は「はじめに」の前に「要約」を入れておくものだ。

その要約には当然結論も簡潔に記載する。

 

そうしておけば、時間のない偉い方は、要約だけを読めば全体を把握することが出来る。

偉い方じゃなくても、51ページも読んでやっと結論が分かるような文書を回されたらたまったものではない。他の仕事の時間がなくなってしまう。

 

要約を付けるやり方は私の現役時代に当たり前だったし、大抵のビジネスマンはそうしているのではないかと思う。

特許を出願するときのフォーマットも同様だったので、特許庁以外のお役所でもそうなっているのではと思ったのだが、省庁によって違うのか?・・・。

 

そんなところで引っ掛かったので、次にもっと細かい部分が気になってしまった。

 

金融庁のホームページには、本文が(別紙1)と記載されており、他に(別紙2)と(参考)へのリンクも貼られている。(下の画像参照)

気になったのは、リンクで飛んだ先のその3つの文書すべてに(別紙1)(別紙2)という記載が無いことである。

 

もし別紙1参照と書いてあれば、もらった何枚かの資料の右上を見て、(別紙1)と書いてある文書を探して読むのが普通の流れである。

 

ところが、この報告書には右上にそれが書かれていないので、本当にこの文書で良いのかな?と、もし会議だったら参加者の全員が迷うことだろう。

「どれを見ればいいんだ!」と怒鳴る偉い方も出るかも知れない。

ちょっとしたことでも、このようないい加減な作りは文書の内容の理解を妨げ、不正確にし、時間を無駄にさせるのだ。

 

3つ目の資料の『(参考)金融審議会 市場ワーキング・グループ報告書「高齢社会における資産形成・管理」の概要』のリンク先の文書には、それらしいものが書かれているのだが、『参考』ではなく『参考資料』と書かれている。

 

これでは100点ではなく50点である。

「参考」と書いたなら、その資料にも「参考」となぜ書かない?

少しでも違っていると、読む方はこれで本当に合っているのか?と確信が持てないのだ。

『・・・の概要』という文字も抜け落ちている。

 

更に書くと、文書のファイル名もいただけない。

下の添付ファイルを見ると分かるが、別紙1のファイル名は「01」となっており、別紙2は「02」、参考資料は「PowerPoint プレゼンテーション」となっている。

各部署の共有サーバーや各担当者のパソコンには膨大な数のファイルが入っているはずなので、このような命名を続けてしまうと、おそらく数年も経たないうちに何のファイルだったのか分からなくなるだろう。

 

「参考資料」には日付も書かれていない。

文書に日付を入れるのは初歩の初歩である。

かつ、パソコンに保存するファイルも、ファイル名に日付を入れるべきである。

 

例えば、「リコーダーセミナー報告」という文書やファイルが40個も50個も有ったらどうするか。

もし2012年度の報告書が見たいとなったとき、日付が書いて無いのでその文書に当たるまでいちいち順番にファイルを開いて読んでいかなければ目的の文書を見つけ出すことが出来ない。

 

そのため、例えば「リコーダーセミナー報告 20190617 」というふうにファイル名に日付を入れておけば、膨大な数のファイルがあっても、すぐに目的のファイルを見つけることが出来るのだ。

 

と、まあこんなことで・・、金融庁のこの報告書はいったい何なの?と思ってしまった。

 

これを作成したのは教育をまだされていない新入職員だろうか?

しかし、もしそんな職員が作成したとしても、それを上司が精査せずに公表するはずがないので、その上司にも問題が有ることは確実である。

 

何が悪いかと言って、こんなことをやっていると業務の効率が落ち、質も落ちてしまうのだ。確実に落ちる!

 

中央官庁がこんなお粗末なことで良いのか。

お役所だから許されるというものではないだろう。

 

金融庁さま。

職員をちゃんと指導して下さいませね。

物事をいいかげんにやっていると、良い仕事は出来ませんよ。

と言いたくなる。

 

↓金融庁のホームページ


(別紙1)

(別紙2)

(参考)


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