オーディオの音が良くなって気が付いたというか思い出したことがある。
モンテベルディ―の ”聖母のための夕べの祈り” をアーノンクールの演奏で聴いたときに、ときどき出て来るトロンボーンの音に威厳があり且つ他の楽器とは別物の存在感を示すことである。
最初にそれを実感したのは、8年ほど前にフレンドシップコンサートというリコーダーの大発表会を聴きに行ったとき。
発表会の最後に、締めとして出演者全員でルネサンスの曲を演奏したのだが、客席にいた4人くらいのグループがそれに参加し、その中にトロンボーンを吹く方がいて、その音を聴いて衝撃を受けたのである。感動もした。
何たる荘厳さ、何たる存在感。
トロンボーンが神の楽器と言われていたことは知っていたが、まさにそれを実感した。
後日、その発表会で指揮をされていたNHK町田の細岡先生にそのことを申し上げると、その楽器はトロンボーンではなくてサックバットというのよ、とのことだった。
トロンボーンとサックバットで音が違うのであれば、サックバットだったからこそ神の楽器だ!と思ったのだろう。これまで何度もオーケストラの中のトロンボーンを聴いているのに、一度も特別な存在感を感じたことが無かったから。
音が同じだった場合は、リコーダーとの合奏だったのでその存在感が浮き上がったのかも知れない。
いずれにしても、サックバットは習ってみたいと思わせる楽器である。
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