題名のない音楽会でおかしなことを言っていた

今日の放送ではウエストサイド物語の音楽を採り上げていましたね。

 

このミュージカルの音楽は私も大好きで、サントラ盤のレコードと、組曲にした「シンフォニック・ダンス」のレコード(サンフランシスコ響・小澤征爾指揮)を持っています。ピアノ用の楽譜も持ってます。

 

番組の中では、シャーク団とジェット団との対立を作曲家バーンスタインは音でも表現していて、それは楽曲マリアの歌い始めの「マ~リ~ア~」の、マとリの音の間の音程である、と言っていました。

 

そこの音程が増4度で、それが対立を表している、と指揮者の鈴木優人氏は言ったのですが、増4度の音程が対立を表したり感じさせるものだという説を、私はこのとき初めて聞きました。

おそらくこの番組を見ていた人は全員がえっ?と思ったのではないでしょうか。

 

増4度というのはどっちつかずの音程で、不安定な気持ちにさせる音程、というのが一般的な理解ではないでしょうか。不安定だけれど、ドとシが鳴った時のような鋭い響きはしない音程です。

念のためにピンと来ない方用に例をあげますと、ドの増4度は#ファです。

 

#ファと書くと少し変わった音程のように見えますが、そんなことは全くなく、誰もが頻繁に聴いたり接している長調の属7和音の「ソシレファ」のシとファの音程です。と、書くのが恥ずかしいくらいの話ですが。テレビでプロ指揮者があまりにも変なことを言うので書かずにおれません。ーー;

 

蛇足で書くと、ソシレの和音には増4度が入っていないのでドミソへ行って解決したいという気持ちがそれ程強く起きませんが、ソシレにファを加えてソシレファにすると、増4度が入るので不安定感が発生して「早く安定したドミソへ行きたい!」と強く思うようになり、その結果ドミソへ行った時に充実した満足感が得られるのです。

 

このように、増4度という音程は曖昧さや不安定を感じさせるものであって、決して対立を感じさせるものではありません。

 

なぜ対立を感じさせると言ったのか、鈴木優人氏に教えて頂けると有難いですが、こんなブログは読まれないですよね。^^

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コメント: 2
  • #1

    みちる (土曜日, 11 12月 2021 11:46)

    こんにちは。題名のない音楽会、私も観ました。ウエストサイドストーリーは私も好きで、父が「COOL,COOL!」と言ってよく歌っていたのを思い出します。
    私は音楽理論のことはよくわかりませんが、確かにこのマリアの曲の音階は不安定感を感じ、早く次の音へ行って安定したい、という気持ちが凄くしますね。
    私も「対立」ではなく、むしろ始まったばかりのトニーとマリアの恋の先行きの不安感を表しているのではないかと思いました。
    最近リコーダー関係でこちらのブログにたどり着きましたが、管理人さんのブログがとてもおもしろく、いつも楽しみにしています。

  • #2

    管理人 (土曜日, 11 12月 2021 12:45)

    みちるさま

    こんにちは。
    コメントをありがとうございます。
    「始まったばかりのトニーとマリアの恋の先行きの不安感を表している・・」
    そうですよねー。
    おっしゃる通りだと思います。

    ブログを楽しみにして下さっているとのお言葉を頂き、とてもうれしいです。
    ブログも編曲も思い付きで書いていますが、これからもよろしくお願いいたします。