昨年末に放送されたN響の第九を見て感じたこと

*悪口ばかりになりそうなのでN響ファンの方はパスしてください。

 

放送ではコンサートマスターの篠崎氏を頻繁にズームアップしていましたね。以前からですが、ソロでもないのに無意味に頻繁にズームアップするので、カメラマンがゴマすりでもしているのかなと思えて、いやーな感じがします。

 

篠崎氏以外の人をズームアップするときは、ほとんどの場面で女性奏者も映し込みますが、これもカメラマン(かディレクター)の何らかの思惑が入っているように思えて、なんかいやーな感じがします。

邪推でしょうけど、不自然です。

 

録音はいつまで経っても良くなりませんね。というか最悪。

音響の悪い和室にオケが入って演奏しているのを障子を挟んだ向こう側で聴いているような音です。

少なくとも私のステレオではそう聴こえてしまうのでいつもガッカリです。音が悪いのでクラシック音楽館のN響の演奏はほとんど全部消去しています。

 

テレビから音を出すと不満を感じないのですが、ステレオから音を出すとまったくだめなのです。

曇っていて分離が悪く非立体的で音が粒立たない。

本当にプロが録音しているのか?と思うような音しか出て来ません。

 

それは以前から指摘されていることですが、指摘されるたびにNHKホールは音響が悪いので仕方が無い、という言い訳がされてきて、そうかと一応納得せざるを得ませんでしたが、今演奏しているコンサート会場は池袋の芸術劇場なので、その言い訳は出来ません。

 

同じ芸術劇場で収録している日テレの読響プレミアムの録音とは雲泥の差の音質です。

天下のNHKなのに一体どういうことなのか、本当に理解に苦しみます。

 

演奏は良かったです。

指揮者がまったり中庸で濃い表情を付けないことの多い尾高さんだったのに、N響は全体としても各奏者的にも、これまでになく表情を付けた演奏をしていて嬉しくなりました。

 

そうなった理由は、読響から来られたホルンの方がホルンらしい音で表情たっぷりに音楽的に吹かれたので、他の団員たちがその影響を受けたのではないかと思います。アンサンブルってそうですよね。

 

ただ一人、コンサートマスターの篠崎氏だけはその変わりように抵抗するようにブスッとして体を動かさず静的に弾いていましたね。表情を付けないのがN響の伝統だと公言している人としては面白くなかったのでしょう。

指揮者を無視して静的に弾く篠崎氏を指揮者の尾高氏もまた全く見ず無視していたのでオッと思いました。テレビに映るのにそこまで露骨にやるんだと思いました。確実に確執が生まれていますね。

 

ホルンに話を戻すと、コンサートホールで聴くホルンはまさに圧倒的な存在感を示しますが、残念なことに、ずっと前のN響のホルン奏者は素人かと思うほど間違えてばかりで、ホルンが吹く個所が近くなるとちゃんと吹けるかなと心配になって音楽を聴くどころではなくなっていました。

 

指揮者からクレームが付いたのか、その後何人か交替しましたが、流石に本番で間違えたり音が出なかったりする人はいなかったものの、緊張して開放感の全く無い吹き方をする人だったり、物足りない吹き方をする人ばかりでした。

 

でも今度の読響から来た人は、丸い音からバリバリッという音まで自在に吹き分けて、かつ歌心たっぷりに抑揚をつけて朗々と吹くので非常に音楽的になりました。本当に良い人選をしたと思います。

読響のホルンは以前から名手が多いですね。

 

このホルン奏者が、何らかの都合により臨時にN響で吹いているのではないことを祈ります。