N響ヤルビーのアルプス交響曲を聴いて思ったこと

NHKクラシック音楽館で放送されたR.シュトラウスのアルプス交響曲は、指揮者のヤルビーがこれまでで最高のアルプス交響曲の演奏だったと言っていたが。

聴いていて、良いな~と全然思わなかった。

 

なぜだろう、と考えるまでもなく、それは音質が極めて悪いため演奏の良さが全く出ていないから。と以前から分かっている。

 

どこかのブログに出ていたが、NHKホールでの演奏は5.1chのステレオで15khz以上をカットして放送し、その他のホールでの演奏は普通の2chのステレオで20khz以上をカットして放送しているとのこと。

 

そのブログの方がご自分で周波数のグラフを出したところそうなっていたので、NHKに問い合わせたら「その通りだ」という回答があったらしい。

そんなことが現代でまだ行われているとは驚く。昔のラジオじゃん!

 

まともに良い音質だなと思って聴いた1週間前の放送「ダフニスとクロエ」は、サントリーホールでの演奏だったので20khzまで出ていたのだ。納得。

 

前にも書いたが、NHKの録音担当部署では音楽も音質もな~んにも分からない人が偉いさんになっていると思う。そうであれば早くまともな人に交替させないとNHK交響楽団の人たちも可哀そう。

5.1ch放送を聴くには6個のスピーカーを部屋中に配置しなければならないが、そんなことをしている人が日本に何人いるか考えなさい、と言いたい。

 

しかし、あろうことか、数年前にNHKは8K放送まで始めてしまった。

8K放送の音質は22.2ch。

つまり、スピーカーが24個も必要!

 

4Kで6個のスピーカーさえほとんど置いていないのに、24個も置く人っている?

ヒェ~まじか!って感じ。

 

誰も利用しないと思われるそんなシステムの開発に大金を使う人間は純民間会社なら絶対に現れないし、そのような開発が許可されることも絶対に無い!

 

私はNHKの番組内容を評価しており、NHKをぶっ潰せと言っている政党をこそぶっ潰すべきだと思っている人だが、NHKにはお役所的な発想は捨てなさいと厳しく言ってあげたい。

 

話は変わって、録画を見ていて他のことにも気が付いた。

第1バイオリンのコンマスと副コンマスの、指と弓の動きが微妙にずれているのだ!

え~っ?、ズレちゃってるじゃん!、と思ったが、その後ろで弾いている人を見たら、その人もズレているのだ!

 

え~、めちゃくちゃじゃん!、とビックリ。

元独奏バイオリニストの副コンマスが終始非常に険しい顔で弾いていたのは、その状態が気に入らなかったためか!?(まともに弾けよ!って?)

 

大人数での合奏はズレていても結構まともに聴こえることをリコーダーアンサンブルで経験した。

一人ひとりは怪しい演奏なのに、それが集団になるとまともに聴こえる不思議。

アマチュアにとってはありがたい現象だが、「俺たちは世界の一流だー!」と豪語しているプロ集団がそれでは悲しいというかみっともない。

 

N響はここ数年メンバーを入れ替えて演奏水準を飛躍的に上げたと思うが、集客対策なのか何だか知らないがごく一部の奏者を無理に現役に留めたことで自滅している。

 

余談だが、ソヒエフ指揮のドビュッシーの「海」を聴いていて、ドビュッシーが如何に悪い奴かを書いた本を思い出した。

うろ覚えだが、彼の妻が事故か病気で倒れたとき、妻のポケットからお金を取ってから医師を呼んだ、という話。

本当にひどい男だ。