本当に悪い男ドビュッシー

6月9日のブログの最後で、ドビュッシーの悪さ加減について触れましたが、少し追記します。

 

25歳の頃、パリでガブリエル・デュポンという女性と同棲を始めました。

その女性は裕福ではなかったので、お針子や家政婦をしてドビュッシーの面倒一切を12年間も見ましたが、ドビュッシーは突然彼女を棄てて、ロザリー・テクシェという女性と結婚します。

悲しんだデュポンはピストルで自殺をはかりました。

 

その数年後、ロザリーと結婚しているのに、銀行家の妻エンマ・バルダックに子供を産ませます。

捨てられたロザリーは、デュポンと同様に自殺を図りますが、死にきれず、悲惨などん底の中で生涯を閉じます。

 

彼は、若い頃から節操が無く、ロシアのナジェージダ・フォン・メック婦人の家庭で、彼女の子供たちにピアノを教えていましたが、その長女と関係を持ちます。激怒したメック夫人はドビュッシーを追放します。

このメック夫人は、チャイコフスキーと一度も会わずに生涯援助を与え続けたことで有名な、あの女性です。

 

(訂正) 6月9日のブログの最後に、「彼の妻が事故か病気で倒れたとき、妻のポケットからお金を取ってから医師を呼んだ」と書きましたが、そうではなく、「彼の妻が自殺を図って倒れたとき、妻のポケットからお金を取ってから医師を呼んだ」でした。

 

チャイコフスキーついでに彼の先輩作曲家への評を転記しますと、

・ベートーヴェンの中期の作品は好きで、ときには初期のものも良いと思うが、最晩年の弦楽四重奏曲は好きになれない。そこにはかすかな輝きは有るが、それ以上のなにものも無い。

・モーツァルトの人間性が好きなので彼のあらゆる作品が好きだが、意味の浅い作品もすべて傑作だと主張する気は無い。

・もったいぶっているだけで全く面白くない曲を書くブラームスが、なぜ奉られているのか分からない。

・バッハは喜んで弾くが、他の人が言うようには、偉大な天才だとは思わない。

・ヘンデルには四流の意義しかなく、楽しくもない。

注)しかしベートーヴェンはバッハよりもヘンデルの方を高く評価していました。